著・磯崎康彦(福島大学名誉教授)

亜欧堂田善は伊藤若冲、谷文晁らとともに江戸期に最も活躍した画家のひとり。白河藩主、松平定信の命で銅版画技術を修得。北斎や広重よりも20年余り前に江戸の風景風俗を描き、また、国防上重要な地図、人体解剖図なども銅版画で描いている。その多くが現在、国の重要文化財に指定されている。本書は、著者の長年の研究の集大成であるとともに豊富な図版により田善研究と江戸中期の文化・世相を良く著わした貴重な書となっている。


・A4判 ケース入り
・布装上製本 総424頁
・掲載図版 358点

■定価 33,000円(本体 30,000円)
ISBN978-4-947666-67-3


【主な内容】
・永田善吉(田善)、白河藩主松平定信に見いだされる
・江戸風景風俗銅版画・肉筆画を描く
・我が国最初の銅版画解剖図を製作する
・銅版画で世界地図《新訂万国全図》を製作する
・亜欧堂田善の接した蘭書

亜欧堂田善(あおうどう でんぜん1748-1822)
本名は永田善吉。江戸時代の画家。白河藩主松平定信に見出され銅版画技術を修得、北斎や広重よりも20年余り前に江戸の風景風俗を銅版画で描き、その多くが現在国の重要文化財に指定されている。本書は田善の生涯や業績を、海防(国防)に重要な世界地図《新訂万国全図》、医学には『医範提綱』の人体解剖図を、そして蘭学(学術)、銅版画(技術)、肉筆画や銅版画(芸術)などの観点からとらえ、著者の長年の研究と多くの図版による田善研究の集大成である。また、鎖国時代の江戸中期の文化・世相を良く著わした貴重な書でもある。

著者紹介
磯崎康彦 (いそざき やすひこ 1941- )
美術史家。東京藝術大学大学院修了。オランダ政府給費生として、アムステルダム自由大学留学。ハイデルベルク大学客員教授、ベルリン大学客員研究員、福島大学教授を経て、同大学名誉教授。主な著書『江戸時代の蘭画と蘭書』。